「あなたがオーディションで強力にプッシュしてくれたおかげよ」 「あら、あたしのプッシュは必要なかったと思うわ だって、アンジェラ役はティアラをイメージして描いたんだもの あの子以外の誰があの役にふさわしいっていうのかしら」
「ルーベンの浮気の虫もこれでしばらくは治まるでしょうね」 「あの人ったらあたしが気づいていないとでも思ってるのね 女房なめんなよって」
「罰として『隠し子』と一緒に仕事をさせるとはおっかない女ね、あなたって」 「あら、ティアラにとっても人気TVドラマのレギュラーの座をゲットできて、お互いWIN-WINでしょ」 「かわいそうに、ルーベン・リトラーは昔の女に復讐されないかとおびえながらこれからも日々を過ごすのね」 「あの人、あなたを棄てたと思い上がっているの 棄てられたのは自分のほうなのにね」 「その『あたしが棄てた男』とあなたが結婚したって聞いた時は正直驚いたわ」
「ふふふ あたしって昔から『廃品回収業者』なの あなた専用の♪」 「ねえ」 「階下(した)に部屋を取ってあるの 今夜は泊まっていけるんでしょう?」 「ええ ブロンソンはサマーキャンプ、デイドラは林間学校で留守だし」 「ふふ 今夜は寝かせないわよ💜」
「うふふ」 「一度訊いてみたかったんだけど」 「あなたって高校時代からあたしの『お古』と寝たがったわよね どうして?」
「あなたを愛しているから💛」 「あなたが触れたものを共有したかった…のかな それに」 「これでもあたし、ルーベンを愛していてよ」 「…あなたの『次』にだけど」 人生は動き回る影 人はみな、哀れな役者に過ぎない
(シェイクスピア作「マクベス」第5幕第5場より)
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