2023年12月27日水曜日

あるいは裏切りという名の猫 3

「お待たせ」
「あいかわらず、時間にルーズな女だな」
「ごめんなさい ひさしぶりにあなたに誘われたから何を着ていこうか迷っちゃって」
「ぬけぬけと… それより、何を企んでいる?」
「あら、何のお話?」
「とぼけるな 君の娘…ティアラとか言ったな あの時、俺は堕ろせと言ったはずだ」
「そうだったわね でも、産む・産まないはあたしの勝手でしょう?」
「それに、あの子には父親は産まれる前に死んだと言ってあるわ 今さらあなたに認知してくれなんて言わないし」
「だったら、なぜうちの隣に引越してきた?!」
「信じてもらえないでしょうけれど、ホント偶然よ 知人のロボさんが『新しいマンションに引越すからよかったらどうか』と言ってくれたの あなたがたのお隣だと知ったのは引越してからよ」
「そんな話、誰が信じるものか!?」
「…もう、困った人ね」
「大丈夫よ 新進女優のティアラ・アンジェリスタが実はルーベン・リトラーの隠し子だなんて、マスコミにたれ込む気はさらさらないから」
「……」
「あなたが押しも押されぬトップ・スターならいざ知らず… せいぜい2、3週間ゴシップ誌をにぎわす程度でしょう? かえってあの子のキャリアに傷がつくだけ」
「あの子は俳優としての才能があるの あたしやあなたと違って」
「……」
「…ララ」
あたしとあなたはあの日が初対面
これからも、ただのお隣さんとして、
お付き合いしていくだけ
それでいいでしょう?



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