「もし、あの時、こうしていれば」
そんなことを考えるのは
実に馬鹿らしいと
常づね思っているのだが
でも…
時おり思い出さずにはいられない
荒れ果てた教会で
オルガンを弾いていた
銀色の髪の乙女
兄が彼女を見初める前に
俺が自分の気持ちを彼女に伝えていれば
俺たちは今とは別の人生を歩んでいただろう
…ちょっと待てよ
そしたら、こいつは俺の息子として産まれていたってことか?
アーロン「くっくっく(笑)」
始祖「? おじ上?」
アーロン「(笑)」
始祖「何がそんなにおかしいのですか?」
アーロン「…それは内緒だ」
参照記事:耐えられない存在の重さ「時には昔の話を Ⅱ」
2022年10月14日金曜日
幕間(まくあい) 1
フォーゴットンホロウ スレイヤー邸 始祖「ここに来るのは何年ぶりかな」 始祖「お久しぶりです、おじ上」 アーロン・スレイヤー「おまえが呼ばれもせんとうちにやって来るとは珍しい」 始祖「最近、お体の具合がよろしくないとエルヴィラ姐さんからうかがいました 起きていても大丈夫なのですか?」 アーロン「エルヴィラか、あのおしゃべり娘 …まあ、200年も生きてりゃあちこちガタはくる」 始祖「………」
アーロン「♪」 始祖「…失礼ですが、相変わらず下手くそですね」 アーロン「大きなお世話だ」 アーロン「おまえがまだ小さかった頃」 アーロン「俺のこの下手くそなピアノが大のお気に入りで」 アーロン「何度も俺にピアノを弾いてくれとせがんだもんだが」 始祖「記憶にございません」
アーロン「(笑)」 アーロン「ヴラド」 アーロン「久しぶりにおまえのオルガンを聴かせてくれないか」
始祖「いいですが… お高いですよ、一曲1000シムオリオンでいかがですか」
アーロン「…… 金を取る気か」
始祖「冗談です」 アーロン「おまえの冗談は昔から笑えない」
始祖「皆さん、そうおっしゃいます」
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